995声 敬老の日の悪人

2010年09月21日

今日は運動会の振り替え休日。
って事で、近所の小学校が休み。
それを知ったのは、今朝、通勤の時。
いつも、登校班で列になって行く筈の子供たちが、
沿道に見えなかったからである。
小学校の脇を通ると、お母さんであろうか、低学年生と思しき娘と一緒に、
鉄棒で坂上がりの練習していた。
そう言えば、敬老の日で祝日だった昨日。
高崎市街に映画を観に行ったのだが、館内に溢れかえっているのは、学生。
若者の洪水だった。
掻き分けながら入場し、スクリーンで開演待っていた映画は、『悪人』である。
先頃、カナダのモントリオール世界映画祭において、
ヒロイン役を演じた深津絵里さんが、最優秀女優賞を獲得した映画。
だから、と言う訳でもないが、吉田修一さんの原作に対する好奇心も相まって、
原作を読む前に観てしまった。
映画評。
など、私には出来そうも無いので、感想を少し。
物語の全体を包んでいるのは、「閉塞感」であった。
若者誰しもが内包している、性の鬱屈、生活の倦怠、精神の孤独。
それらが、複雑に絡まり合う。
そのこんがらがった糸を、解かず切ってしまう事で起こる、殺人。
それは被害者と加害者を生み、同時に、被害者の家族と加害者の家族をも生む。
誰しもが持つ「悪」によってもたらされる、悲劇。
市井のどこにでもいる人たちを描いた作品だけに、
観客は、登場人物の誰にか感情移入して観る事が出来るのではなかろうか。
夜の海原を照らし続ける、孤独な灯台の如く、いつまでも彷徨える心。
しかし、登場人物の背景描写が薄く、見終えてから、
原作を読まねばと言う思いに至った。
俳優陣の演技は秀逸で、特に、主演の妻夫木聡さんには、鬼気迫るものを感じた。
【天候】
終日、雲も疎らな晴れ。
朝晩は涼しいが、日中は残暑甚だし。
巷には、未だ半袖の人、多数。