1006声 金借りたい茅刈りたい

2010年10月02日

「茅葺」
と書いてみて、こう言う漢字を書く事を、恥ずかしながら初めて知った。
これで、「かやぶき」と読む。
あの、かやぶき屋根の「かやぶき」である。
古くは縄文時代の竪穴式住居であったり、江戸時代の農家であったり。
現代では稀になってしまったが、県内でも、
主に養蚕農家などでかやぶき屋根の家が見られる。
集落としては、岐阜県の世界遺産である、
「白川郷・五箇山の合掌造り集落」が有名である。
そのかやぶき屋根の家を、中之条町に建てよう。
ってな事をやっているのが、ほのじ氏。
「中之条に家建てようと思うから、抜井もまぁ、ひとつ手伝ってよ」
「分かりました、で、あたしゃ何やりゃ、いいんです」
「今度、みんなで草刈りに行くから、鎌持って来て」
「あいよ」
その草刈りの日が、今日だった。
「草刈り」ってから、私はてっきり、住居建築予定地の除草作業だと思い込んでいた。
しかし、着いた先は、一面のススキ畑。
十五夜はもう大分過ぎてしまったが、お月見とは風流な。
などと思っていると、周りの人たちはそそくさと着替え始めて、
長靴とジャージに首巻タオル。
そう、この「草刈り」ってのは、かやぶき屋根に使う「かや刈り」の事だったのだ。
根元から2,3cmの所を、鎌で鋭角的に刈って行く。
じゃあ、ってんで刈ろうとすると、鋭角的に飛び込んできた声。
「おまえそれで刈るの」
「えっ、はい、草刈りに役立ちそうなものがこれしかなかったんで」
「それは、おまえ、枝切りばさみだろ」
私が持って行った、枝切りばさみで一本ずつ切ってたんじゃ、
確かに日が暮れてしまう。
本職の方も来ていらして、鎌一本で短時間の間に、
山のようにかやを刈ってしまった技には驚いた。
私はもっぱら、かやを集めて紐で縛る。
と言う作業にやり甲斐を見出し、一心不乱に縛り上げていた。
家が建ったら、囲炉裏で燗でもつけてみようか。
ともあれ、未だ先は長そうである。
【天候】
朝、薄曇り、後、爽やかな秋晴れ。
終日、風も無く、穏やかなり。