1008声 断髪断念

2010年10月04日

汗かいて髪を切りたき大暑かな
ってのは、私が今夏に作った句である。
そして今日、大暑でなくとも、汗をかけば髪を切りたくなる事に、気付いた。
私は大体、一月に一度は床屋に出掛ける様にしているが、
種々雑多な用事に翻弄され、いつもつい忘れがちである。
すると、汗をかいた時、食事をしている時などに、伸びた前髪がうっとうしくなる。
その時突発的に、「髪切ろ」と思い立つのが常である。
今日も、テレビを見ていると、昨日行われた、
元横綱である朝青竜関の断髪式のニュースが流れていた。
それ見て、突発的に髪を切りたい衝動に駆られたのである。
私は大銀杏も結っていなければ、断髪する差したる理由もないのだが、
なんとなく「節目」をつけたい時節柄なのだ、近頃。
急いで行きつけの床屋に電話しようと思い、
スタンプカードを財布から引っ張り出すと、「月曜定休」の文字。
そう、今日は月曜日、床屋が一斉に休みになる日なのだ、巷では。
そもそも、何故、月曜日には床屋が一斉に休みになるのだろうか。
銭湯なんかでは、近隣で定休日が重ならないようにしている例が良く有る。
しかし、床屋は決まって月曜日。
そして、歯科は概ね木曜日。
ってのが、巷、少なくとも、私の住んでいる群馬県高崎市近隣では、
常識となっている。
もっとも、最近では、常識に捉われない所も少なからず見受けられるが。
髪を切りたい。
からってんで、見知らぬ床屋に入るのは、
なんだか行きつけの床屋に不義理を働いているようで、気が引ける。
歯科などに至っては、カルテなるものが保管されているので、
容易に開拓してみる気にもなれない。
と言う訳で、断髪を断念した私は、今少しばかり土俵に残って、
髪を振り乱しながら、あくせく日常を過さねばならない。
夜半のテレビニュースには、また断髪式の模様。
大銀杏を切り落として、土俵にお別れのキス。
高々と掲げたガッツポーズで去った元朝青竜関に、私、羨望の眼差しを送っている。
【天候】
朝より曇天時々小雨。
夕方頃、雲間から薄日射す。
街中では、ジャケットを羽織っている人、いない人、半々。