4265声 ニューシネマパラダイス

2019年07月20日

子どもの世界は、映画で広がる。

 

上毛新聞の日曜版に折り込まれている子ども向け新聞「週間風っ子」で、県内の映画好きが子どもに見て欲しい映画を紹介する「みんなに見せたいこの一本」という連載が始まった(第五日曜日がある月のみに連載)。その記念すべき初回にお声がけいただき、先月末に紙面で『ニューシネマパラダイス』(1988/ジュゼッペ・トルナトーレ)を紹介した。

 

お話をいただいた後、マイベストではなく、子どもに観せたい映画・・うーん何にしよー・・と悩んだ末に、僕が通った「日本映画学校」の入学式でこの映画を観せられた記憶が蘇り、連載もはじまりだしある意味「映画のはじまり」的な一本としてこれを選んだ。

 

子どもに推薦したいのは「劇場公開版」で、実は今回コメントを書くにあたってはじめて「完全版」を観た。完全版には、劇場版にはなかった「運命的な恋愛をしたが別れてしまったかつての恋人と再開するシーン」が足されている。それがないなら「映画愛」を描く映画なのだが、それがあることにより「果たされなかった恋」についての映画に印象が変わる。それを「蛇足」とする声も多かったらしいが、いい年をとってしまった僕には完全版の未練タラタラ感がやけに刺さった。

 

新聞記者には話さなかった話として、記事の最後に「映画はいいものです。好きな子を誘って映画館に行ってみてください」などと言っているが、僕自身はそれができるまでに24年かかったので、クラスの隅の冴えない男子もめげずに生き延びてほしい。