1015声 カプセルの中

2010年10月11日

「おはようございます、朝8時となりました」
ってなアナウンス音に起こされたのは、今朝の事。
目の前に迫る天井、横になっている体の直ぐ脇には、壁。
私が起床した、この薄暗い閉塞的な空間は、どうやらカプセル。
朦朧とした頭で、昨夜の記憶を逆再生してみる。
その一部始終は、おぼろげながら憶えている。
どうやらしたたかに泥酔してしまったが、世間様に醜態は晒していない。
と思う。
説明は結論から端的に。
昨夜は『第6回東京銭湯ナイト』に参加し、その後、打ち上げ。
梯子酒後、歓楽街のど真ん中にそびえ立っている雑居ビルの、
サウナ兼カプセルホテルで、独り受付していたのが、丑三つ時。
と言う記憶が、我が脳内では再放送されている。
先月も、川越のカプセルホテルに一泊したので、我が人生は最近、
カプセルホテルとの関係が密になって来た。
その時の状況は、十中八九、深酒による終電乗り過しなので、
あまり良い関係とは言えない。
あの狭いカプセルの中でも、意外と良く寝れるのは、おそらく、
私の身体構造がガサツに出来ているから。
ではなく、酒酔いによる感覚麻痺に起因していると思う。
肝心の、『銭湯ナイト』自体は、盛況も盛況。
勿論、会場は満席になり、残念ながら入り切れない方々も居る様子だった。
今回私は、自著を売らせて頂いた。
売れなかった場合、群馬まで持って帰ってくるの労苦を思い、
少し及び腰になっていたが、終演後は随分と軽くなったので、
ほっと一安心すると共に、感謝の念が一層強くなった。
宴もたけなわになり、ネオン輝く繁華街に、千鳥足を一歩踏み出す。
「この辺りで、どこか泊まれるところなんてのは」
と聞けば、的確なる周辺のサウナ情報が、小気味よく返ってくる。
下北沢つかささんがいらして、本当に良かった。
そうでなければ、行き倒れになっていたかも知れない。
【天候】
終日、雲一つない秋晴れ。
気温は上がり、半袖で丁度良いくらい。
「こんな好日は一年でそうは無い」
と言う文句が、世間話の冒頭に出るような日。