「おはようございます、朝8時となりました」
ってなアナウンス音に起こされたのは、今朝の事。
目の前に迫る天井、横になっている体の直ぐ脇には、壁。
私が起床した、この薄暗い閉塞的な空間は、どうやらカプセル。
朦朧とした頭で、昨夜の記憶を逆再生してみる。
その一部始終は、おぼろげながら憶えている。
どうやらしたたかに泥酔してしまったが、世間様に醜態は晒していない。
と思う。
説明は結論から端的に。
昨夜は『第6回東京銭湯ナイト』に参加し、その後、打ち上げ。
梯子酒後、歓楽街のど真ん中にそびえ立っている雑居ビルの、
サウナ兼カプセルホテルで、独り受付していたのが、丑三つ時。
と言う記憶が、我が脳内では再放送されている。
先月も、川越のカプセルホテルに一泊したので、我が人生は最近、
カプセルホテルとの関係が密になって来た。
その時の状況は、十中八九、深酒による終電乗り過しなので、
あまり良い関係とは言えない。
あの狭いカプセルの中でも、意外と良く寝れるのは、おそらく、
私の身体構造がガサツに出来ているから。
ではなく、酒酔いによる感覚麻痺に起因していると思う。
肝心の、『銭湯ナイト』自体は、盛況も盛況。
勿論、会場は満席になり、残念ながら入り切れない方々も居る様子だった。
今回私は、自著を売らせて頂いた。
売れなかった場合、群馬まで持って帰ってくるの労苦を思い、
少し及び腰になっていたが、終演後は随分と軽くなったので、
ほっと一安心すると共に、感謝の念が一層強くなった。
宴もたけなわになり、ネオン輝く繁華街に、千鳥足を一歩踏み出す。
「この辺りで、どこか泊まれるところなんてのは」
と聞けば、的確なる周辺のサウナ情報が、小気味よく返ってくる。
下北沢つかささんがいらして、本当に良かった。
そうでなければ、行き倒れになっていたかも知れない。
【天候】
終日、雲一つない秋晴れ。
気温は上がり、半袖で丁度良いくらい。
「こんな好日は一年でそうは無い」
と言う文句が、世間話の冒頭に出るような日。