1016声 都会の毒

2010年10月12日

酔眼朦朧となりつつ、新宿歌舞伎町の路上を千鳥足で歩行していた。
餌に群がる烏の如く、酔っ払いに群がる呼び込み人の、眼光。
雑居ビルと雑居ビルの間で、集会中の野良猫が一斉に向ける、眼光。
眼光は弓のように射られる。
都会の眼光は、後からじわじわ効いてくる。
まるで、毒矢のように。
ってな実感は、田舎者の自らをして、本当の田舎者たらしめる。
田舎者がたまに都会へ行くと、疲れる。
郷里の群馬へ帰って来た今は、「ほっ」と肩の力が抜け、落ち着いている。
落ち着いているけれど、耳の奥に残っている喧騒が、
懐かしくなってしまうのは、何故なのだろうか。
それもまた、都会の毒。
【天候】
終日、曇り。
気温は高く、長袖シャツ一枚で丁度良いくらい。
夜風は涼しく、秋虫盛んに鳴く。