衛生的かつ効率的。
確かに、食券販売機を導入すれば、店舗にもたらされる利便性は少なくない。
近年では、店員が小銭を触る事を嫌がるお客や、
店員と会話せずとも注文できる食券を、望んでいるお客も多くなっている。
現に、私の友人にも、一人か二人思い当たる節がある。
その友人たちは、煩わしさを排除し、徹底的に効率化を図った、
ファーストフードを好む。
いや、ファーストフードは私だって好きでよく利用する。
好むのではなく、消去法で店を選べば、好まざるを得なくなってしまったのだ。
そして、十中八九、個室好きだ。
知らない人が直ぐ横に居る、カウンター席など以ての外。
「機械仕掛けの街」
なんて表題の下、この現代の風潮を批判しようなんて気持ちは、
今再度、胸に手を当てて考えてみたが、見当たらない。
寂しい、とは思うが。
衛生的で効率的な事は、とても良い事だと思うし、
少しぐらい衛生的で効率的でなくとも、良いとも思う。
煩わしくないのが良い時もあるし、煩わしさを求めている時もある。
つまり、混在していて良いと思う。
私の事なので、例えはやはり銭湯でしてみる。
仲間連中や、親族家族などの団体で行く時は、
郊外に在る、大きくて近代的なスーパー銭湯を利用するのが適当、だと思う。
友人と連れ立って、はたまた一人でふらりと行く時は、
横丁に在る、小さな懐古的銭湯の暖簾をくぐった方が、断然に愉快だ。
どちらかを駆逐しちゃあ、まずい。
「私は一切、外湯はしません、湯船にも浸かりません、シャワーで一生過ごします」
私たちの後世が、そう言う人種になってしまう日が来るかも。
日本、なのにね。
【天候】
終日、曇り。
薄日の射す、穏やかな日なり。