4282声 戦争の記憶

2019年08月06日

翌朝のハノイは、いつでも南国のスコールが来そうな曇り空。家族全員で携帯をいじって会話のない韓国人家族の横で、遅めの朝食。基本バイキングだが、フォーは注文すると作り立てが出てくる。どこまでも優しい味。宿を取った旧市街から、午前はベトナム軍事ほぼ真南のホーチミン廟周辺に向かう。歴代の王朝や今でもベトナムの国会がある政治と歴史のエリア。先ずはベトナム歴史博物館に向かう。入ってすぐの野外にMIG21が陳列されていてびっくり。国宝だそうだ。一応、屋根はかかっている。米軍機も屋根のない野外にところ狭しとならんでいる。ホーチミン陥落の際、南ベトナムの大統領官邸に突入したT54型843戦車は室内の一段高い赤い絨毯の上に鎮座していた。ただ、全体として戦勝を誇るというより、淡々と事実を陳列している。物見遊山の観光客と比し、沈鬱な表情で写真を眺めるベトナム人をみていると、今でも生々しい感覚をもって戦争の記憶は彼らの中に残っている。