4332声 4)歌

2020年03月04日

ライブハウスでの集団感染が早い段階で報道され、一足早く苦境に立たされたライブハウス。そして、有名無名アーティストたちもライブ活動自粛となり、新たな動きが出てきている。それは、インターネットを使った有料無料の音楽配信だ。

 

聴けるはずがなかった音楽が聴けることは、ありがたい。

 

「不安を紛らわそうと映画を見たが、全然集中できなかった」という書き込みを見た。そういうものだと思う(こんな時こそ見るべき映画もあるが)。だけど音楽の一部は、固い岩と岩の間を流れ染み入る水のような特性を持つ。寝付けない夜に聞くと良いのではないか、というものを2つ紹介したい。

 

1)Ichiko Aoba – “gift” at Sogetsu Hall (Official Audio)
雑誌「ユリイカ」で特集も組まれた青葉市子さん。子守唄のようなその歌に、寝る前に聴くと1曲終わらずに寝てしまう。26:04「レースのむこう」のひたすらな優しさもいいけど、55:04「遠いあこがれ」は白鳥英美子さんのカバーで「楽しいムーミン一家」のエンディング曲。楽しいことがあまりない中学生の時、この歌にとても癒された経験がある。今聞いても染みる。

 

2)UTAU LIVE IN TOKYO 2010 A PROJECT OF TAEKO ONUKI & RYUICHI SAKAMOTO – Limited Edition
坂本龍一さんと大貫妙子さん2人によるライブ映像。坂本さんは他にも、ステイホームな今だからと、過去のライブ映像を続々配信している。18:45「3びきのくま」は、(他の楽曲もそうだが)もとはボーカルがなかった坂本さんの曲に大貫さんが歌詞をつけたもの。身近な不安に潰されそうな時にこの曲を聴き、意識を宇宙にまで飛ばすことができたなら、心地よい安らぎが得られることでしょう。

 

「レースのむこう」も「3びきのくま」も、過去精神的につらい夜に何度も聞いた曲だった。今また、歌に救われたいと思う。