4454声 山百合の香り

2020年07月04日

わーっと3人でおしかけ、バーベキューがはじまった。ぼんやりした家主を尻目に、あるものはチェーンソーで草刈りから始めている。もう1人は庭にあった3種類の花を刈り、花瓶に活けた。その花を見ながら食べるバーベキューは格別だった。

 

花の1つには、山百合が含まれた。山百合は中之条町の町花である。この時期、山を走れば山百合にでくわす。白い大輪の花に、赤い点が点々と打たれ、中央から先にかけて黄色い線が走る。見た目にも印象深い。が、僕がなにより好きなのはその香り。甘く、気高い香りがする。

 

今でもごく稀に新聞配達の代配を行うのだが、この時期の山百合と、秋の金木犀の香りはすぐにわかる。まだ日が昇らないまっくらな中にあっても「わたしはここよ」という存在感を、その香りによって示しているからだ。