4459声 言葉の源泉

2020年07月09日

スクリーンに対峙して観る映画というのは、つくづく「氷山の一角」なのだなと思う。

 

それは映画が作られるまでにはスクリーンに映る俳優以外の監督含めたスタッフや配給・劇場スタッフの協力があってこそ成り立つという意味でもあるが、

 

映画の中の登場人物が語る一言には、監督(あるいは脚本家)がそれまでに培ってきた経験、それまでに巡り合った言葉が反映されているのだなと。そういう意味での「完成物は氷山の一角」という意味だ。

 

 

昨年上映された伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞作品『山歌(サンカ)』の笹谷遼平監督が、同映画の主要キャストである杉田雷麟さん、小向なるさんを朗読者とし、スタッフもまた同映画の撮影・上野彰吾さん、音楽・茂野雅道さんといった豪華メンバーで

 

朗読『源流への言葉』

 

という映像を制作した。とても良い。この動画で語られるのは、中村哲氏/柳宗悦氏/内山節氏たちの言葉であり、それは笹谷監督がずーっと信頼してきた言葉でもある。その3者にどんな共通点が?ということはぜひ動画を見て欲しい。

 

『山歌』を観た人であれば、ここで語られた言葉がいかにあの映画の血肉になっていたか、すぐにわかるはず。そして、まだ『山歌』を観ていない人にとっては、この短い映像で語られる言葉が物語として立ち上がったらどんな映画になるのか・・という期待を忘れずにいてもらって、次に『山歌』が上映されるその日を待っていただきたい。

 

朗読『源流への言葉』