四十不惑。検索すると「人は、四十歳になると、自分の生きてきた道に自信を持ち、あれこれ迷わなくなること」とある。
いつのまにか四十になっていた。誰かにだまされたのではないかと思う。それくらいあっという間だった。昔の人と今の人の精神年齢は十くらい違う気もするが、僕はまだ全然迷いの最中にある。気持ちはそんなだが、頭頂部も薄くなりはじめ(これショック)、くいしんぼう自慢だったのに、近年は消化が良くない。胃って大事。
幸いなのかどうなのか、自分の生きてきた道、はなんとなく見えてきた気がする。ああなんだか、こんなことを書いていたら、海へ行って、浜辺でただ打ち寄せる波をボーッと見ていたくなった。
『深い河』などの著作で知られる作家・遠藤周作は晩年、「川はいいなぁ」と呟いたという。なぜそんなことを言ったのかはうろ覚えだが、たしか荒々しい海が好きな時期もあったが、年をとった今は穏やかに流れる川が良い、というような意味だったように思う。
僕はまだ、川ではなくて海を欲している。それだけで、まだ、若い。