4591声 頭を下げるor下げない

2020年11月14日

20周年を迎えた伊参スタジオ映画祭実行委員会で、初のクラウドファンディングに挑戦した(すでに終了)。その内容は、2003年から行っているシナリオ大賞(全国から映画シナリオを公募し映画化させる試み)の過去作品34作品を、1冊のシナリオ本にする、というものだ。

 

地方の小さな映画祭の挑戦だし、映画のシナリオ本というのはとても珍しい部類に入りはするが、僕が関わる以前から20年続いてきた映画祭だし、ファンディングを始めたことは新聞にも載ったし、ある程度集まると油断をしていたことは事実。残り2週間をきって、半分集まっていないという現実が見えてきた。ファンディングの担当者から焦りの電話が入る。

 

映画祭スタッフの役員の一人はすでに、ネットを使ったぼんやりしたお願いだと拉致があかないと、地元企業などに応援をしてもらうお願いに回っていた。足を使って顔を合わせてお願いするその方法は一番効くとは思うが、僕はできる限りこの本に、映画に興味を持ってもらえる人に知ってもらい応援してもらいたいと思った。

 

そこで、忙しさを理由に避けていた「SNSを使って、応援してくれそうな友人知人に一言メッセージを添えて直で連絡する」ということを、出張先の喫茶店で5時間かけておこなった。考えられる人にはほぼほぼ送った。これを読んでくれているであろうあの人にも、実際に応援をしていただいた。本当にありがたい。

 

それが効いたから、というだけではないが希望額を大きく上回る応援額でフィニッシュを迎えることができた。これはこれから完成させるその本の価値を認めていただいたから、だと思っている。よい本を作らねばならない。

 

僕はけっこう簡単に頭を下げてお願いする方だと思う。けれど、なるべくは「相手にとってもそれを聞き入れることがプラスになる」お願いをしたいと思っている。ファンディングでは、そのラインを越えて厚かましくお願いしてしまったとも思う。それも色々返していかないといけない。