4775声 Wコサック

2021年05月05日

朝からビールの仕込み。今日は切干大根のビール。ちょうど1年くらい前に、同じように切干大根のビールを仕込んだ。その頃はまだ酵母を使いまわしていたからだと思うが、想像以上に酢酸寄りになって、自然派ワインのような飲み口になった。その少し前にできた、これも酸っぱいビール「コサック」よりもさらに酸っぱかったため、「Wコサック」という名前にした。私としてはその味をとても気に入って、けれどもお客さんは、キョトンとして飲んでいる、そんな印象だった。おいしいと言っていたのは、ばっちゃんと、栃木のソヴァージュさんと、倉林くんくらいか。そうしたら、そのビールがある有名雑誌の編集者の目に、舌に、止まったらしい。「とてもおいしいし面白い」と言って、先日取材を受けた。取材依頼のメールに、以下のように書いてあった。「個人的にビールをいろいろ呑んでいく中で、ビールだけで完結してしまうことが多いなと感じていたのですが、シンキチ醸造所で呑んだ切干大根の“Wコサック”にその考えを覆されたのが衝撃的でした。香りは切干大根なのに、味わいは酸味と少し甘味があって、何より料理に合わせたい!と思えるビールに出会えた驚きで、とても楽しい時間が過ごせ、クラフトビールに対する夢が広がりました」そんなこともあるのだ。何が起こるかわからない。この1年売れないのに生産自粛せず、惜しみなく挑戦してきてよかったなと思った。