1035声 ダークかつソリッド

2010年10月31日

昨日は、台風圏の中で右往左往していた一日だった。
まずは、群馬県立女子大学へ向かった。
目的は、「群馬学リサーチフェロー」として研究活動の一である、「ゼミ活動」。
昨日は、その初回のゼミ活動日だった。

このゼミ活動ってのは、一般的に大学で行われているゼミのようなもの。
つまり、少人数のクラスで、テーマに関した発表、それに基づいた議論などを行う。
第1回目の昨日は、リサーチフェロー各々の「研究計画」の発表。
それに対して、意見交換及び議論などを行う。

異業種交流。
ではないが、やはり、分野の違う方々の意見と言うのは、
思わぬ観点で捉えられており、新鮮であった。
そう感じたのはもとより、私の研究計画が浅はかだった事も、多分にある。
私は、「温泉」と「銭湯」を、全く乖離させて調査及び研究をしようと考えていたが、
やはりそれは不自然である。
と言う事が、意見交換の中で分かった。
特に、ここ群馬県では。

その後は、台風による豪雨の中を、一路、中之条町へ。
向かうのは、「旧廣盛酒造」にて開催されている、「酒」をテーマにした16人展。
そのオープニングセレモニー。
初めて会う方、見慣れた方、久しぶりに会う方、思わぬところで会う方。
様々な方々と、酒を酌み交わす事ができ、
本当に素晴らしい作品の数々を見学できた。

その中、挨拶されたひとりの木工作家さんが言葉が印象的だった。
要約すると、
「今回の開催場所であるこの、旧廣盛酒造から、私は無機質で暗い印象を受けました。
この会場に合う木工作品を考えた結果、『ダークかつソリッド』なもの、と言う考えに至りました。
それはつまり、木工作品のもつ、『木の温かみを消す事』。
木の温かみを消した、新しい感覚の作品を是非、観て行って下さい」
と言うもの。
かなり意訳してしまったが、確かにその作品からは「ダークかつソリッド」な、「作家魂」を感じた。
しかし、その作家さん自身は、温かみが滲みだしたような、気さくな人柄なのだ。
秋灯の下、心地好い酔いと共に、なかんじょうの夜は更けゆく。

【天候】
台風一過。
の筈が、終日、曇天。
夕方頃より、小雨がしとしと。