5677声 フラメンコ

2023年12月23日

年末、終えられていない仕事を終えることを淡々と続けている。映像編集は、気を抜かなくても溜まってしまう仕事だ。今日は、吉岡町のフラメンコ教室「スタジオ・グラシア」を訪ね、今年7月に撮影した発表会の映像の最終チェックを行った。

この教室を取り仕切る宮田恵さんはパワフルかつ繊細に事や人を見る方。僕が関わっている「秋、酒蔵にて」でフラメンコを踊っていた宮崎亜由美さんもここの教室で教えていて、彼女からの紹介で撮影をするようになったのだと思うが、今年10月に東吾妻町の「Serenite」というカフェで行ったイベントでも、宮田さんが踊るという一幕があった。宮田さんや宮崎さんに限らず、あまり意図的ではないけれど縁が続く人、という人が僕にはわりと多くいる。ありがたい。

宮田さんは、イスラエルやパレスチナで暮らしフラメンコを教えていた時期もある。今の時事的な話でもあり少しお話を聞いたのだが、「元はイスラエルで教えていたが、パレスチナのひどい状況を見て、パレスチナに移った(2009年頃の話)」という事をさらっと話していて、僕は貧弱な想像をするのが精いっぱいであったけれど、彼女の芯にあり続ける強いエネルギーのようなものを感じていた。

僕はふと「フラメンコの撮影をしていて、不思議なことに、大きなホールの一番後ろのカメラがある僕の席まで何かが届いてくる瞬間があるんですよね。踊り手によって」ということを話していた。エネルギーを感じたとかさっき書いたが、僕は昔からスピリチュアルなものは感じない体である。でも、そういう瞬間はあるのだ。宮田さんは、長いことお待たせしてしまった状況に嫌な顔ひとつせずに送り出してくれた。ありがたい。