5761声 靺鞨三千里の多賀城

2024年03月16日

本日は、仙台駅から仙石線で多賀城を目指す。

なかなかの人数が、乗車する。満員とまではいかないが、半分くらいの人は座れない。例によって見回すと、同じ車両の乗客の半数がスマホ。紙の新聞の人ひとり。紙の参考書の人は、開いたたまま、友人との会話に夢中。

土曜日ということもあり、会話をしている人が多い。

多賀城まで座れなかったが、20分ほどで到着。

結構な人数が降りる。ホームで写真を撮っていたらひとり取り残される。エスカレーターを降りると、さっきの人たちはどこに?というくらい人がいない。

改札を出て、最初の目的地、多賀城市立図書館へ。

駅の北口すぐだった。

TSUTAYAとスタバという定番の組み合わせに、公立図書館が付属している。

逆か。

図書館エリアの閲覧コーナーは、「本とコーヒーをお楽しみください」とあった。スタバから、持ち込んでいいということなのだろう。

係の人に写真撮影をしてよいか尋ねたら、館内撮影禁止とのこと。図書館エリアを三階まで探索。多賀城の郷土コーナーで数冊目をとおす。多賀城碑の「去靺鞨国界三千里」の文字を確認。

今朝の新聞で、多賀城碑が国宝になるとの記事が出ていた。同じ棚の本には、金印や多賀城碑は偽物ではないかという類のもあって、懐の深さを感じる。

その後、TSUTAYAエリアをさくっと眺め、末の松山を目指す。徒歩15分くらいだったかな。

近くの沖の井(沖の石、興井)も見学。どちらも歌枕の地で、西行、芭蕉、子規、鉄幹らが訪れたとのこと。その場に佇んでみたものの、一句もつくれず。宿題とする。

その後、砂押川沿いの土手を歩き、再び図書館を目指す。途中、白鳥やその他の水鳥が佇んでいる場所を発見。土手を降り始めたら、水鳥だけでなく鳩も寄り集まって来て、一瞬恐怖を覚える。白鳥までの距離を測りながら近づこうと試みたが、あまりにも鳩や小さな水鳥が寄って来るので、途中で断念。きっとここで、餌をまく人がいるのだろう。

その後は再び図書館へ。

なるほど、入口におしゃれなサインで撮影禁止をうたっている。

三階にあるPUBLIC HOUSEで、昼食がわりのビール。QRコードでの注文。暗証番号付きははじめて。

ビールといちごのカプレーゼをいただく。

食後は、Ten coffee and bakeを目指すも満席。

多賀城碑を目指すことにする。

途中、多賀城史遊館に寄り情報収集。多賀城廃寺跡を抜けて東北歴史博物館へ。

博物館は休館中。今野家住宅だけ見学し、いよいよ多賀城跡へ。

多賀城跡はとても広大である。

南門跡のすぐ東にあるという多賀城碑を目指すが、南門、絶賛建設中ということで、立ち入り制限がそこかしこにあって、右往左往しながらやっとたどり着く。

国宝のことが新聞に載ったせいだろうか、あきらかに散歩中という地元の方が4組ほど。観光らしき人はわたし以外では2組。

ここでも、去靺鞨国界三千里の本物を確認。

「去下野國界二百七十四里」も確認。

続いて、政庁跡を目指す。登山かよ!というくらい登り。振り返るとなかなかよい眺め。

政庁跡の少し北には、多賀城管理事務所という名の小屋が(とう見ても、地元の集会所)。

どうやら百名城の印が置いてあるらしく、政庁跡あたりから一緒の二組3人は真っ直ぐに向かう。

わたしは、東門跡を目指し坂道を登るも、急に鬱蒼としてきて、くじけて引き返す。

すると、先程の管理事務所から、いかにも地元の人らしいおじさんが出てくる。

百名城印目当てだったらしき人たちはすでに見当たらない。客はわたし一人である。必然的に話しかけられる。

百名城印を案内され、断ると、今度はパンフレットを勧められる。

見ると史遊館でもらったものと同じだったので、またまた断ることに。すると今度は、どこを見てきたのかとなり、時間的に間に合わないかもしれないけどと、史遊館を勧められる。すでに行ってきた旨を伝える。

では、多賀城跡はどこに行ったかとなり、南門跡から政庁跡まで登って来て、東門跡に行きかけて断念したことを伝えると、東門は絶対に見たほうがいいと力説される。親切にショートカットの方法も教えてくれるので、御礼を言って、東門跡を目指すことに。

途中、ショートカットらしきところもちゃんとわかったが、民家をつっきるため、道を進む。

結果的に、行ってよかった。政庁跡まででも、多賀城の広大さは実感できたのだが、東門跡から北東の端まで行ってみたら、実感としてであるが、実感する広大さが二倍になった。

とてつもなく広い。尾瀬ヶ原がすっぽり入るんじゃなかろうか。

少し大げさか…そこまでではないか。

おかげで、陸奥総社宮にも寄れた。兜太の句碑も見られた。

で、多賀城跡をくだり、国府多賀城駅まで戻る。

お腹が空いたので、ガレットの美味しいという、カフェ、OLD TIMEへ。

唯一のアルコール、秋保ワイナリーのクラフトシードルとサラダガレットをオーダー。満足。

ラストオーダーの声をかけられたので、カフェアフォガードを注文。

そのアフォガードをいただいたとき、いし田珈琲のママさんのことを思い出した。

いし田珈琲ではよく、食事のセットにデザートとしてつけてくれるアイスクリームに、珈琲をスプーンで掬って掛けながら食べていた。

勝手にやっていたのだが、あるときママさんがほかのお客さんに、「珈琲をちょっとずつ掛けて食べても美味しよ」と言っているのを聞いた。これで公認となったとおもったのだった、

そのいし田珈琲のママさんが亡くなったという知らせを聞いたのは先月のこと。

多賀城に来てすこししんみりしてしまった。

さて、その次は、Ten coffee and bakeに再チャレンジ。

お客さんゼロ。

ダブルチョコスコーンとチョコバナナマフィン、そしてホットのブレンドコーヒーを注文。

席に持って来てくれたとき、ここのコーヒー、浅煎りで酸味が強いということを聞く。

旅先では、普段とは違ったものも楽しむということで良しとする。

ナチュールのワインだとおもえば、おもえなくもない。味覚の幅が拡がったことを嬉しくおもう。その後、仙石線に乗り仙台に戻って、本日は終了。