5591声 重要な変換

2026年06月24日

先に書いた『急に具合が悪くなる』の原作本をすぐに購入した。注目される映画ながら、前橋のブックマンズアカデミーですら在庫は1冊。平積みでもなく書庫検索をして見つけた。『国宝』など人気映画の小説原作本とは違い、2019年に出版された哲学者・宮野真生子さんと人類学者・磯野真穂さんによる往復書簡本なのだから仕方ないと言えば仕方ない(購入時に書店員さんに「この本、目につくところに平積みすれば何冊かは出る本だと思いますよ」と言いたい気持ちを我慢した。言ったらただの気持ち悪い客ではあるが。)

映画『急に具合が悪くなる』は、原作にある日本人2人の往復書簡に書かれた魂の軌跡とも呼べるような何かを、映画という表現に変換をした。舞台がフランスになったり、主要人物の一人がフランス人になったりもしている。磯野さんのポッドキャストを聞いても「映画の原作と言われると違うものなのだけど、濱口監督はものすごく読み込んで大切な部分をプロの技術で映画にしてくれた」的なことを話している。僕は、その<小説の優れた映画化>ではなく<小説ではない現実に生きた人たちの往復書簡から大切なエッセンスを映画化させた>ことに興味がある。その大切なエッセンス(まだ本は読めていないけど、僕が勝手に予想して魂の軌跡と書いたもの)は何なのか? そしてそれを映画で語る際の具体的手法は何なのか?(それはカメラと俳優との距離だったり、映画内に流れる作られた時間だったりするだろう)あたりに興味がある。

あの映画面白かった、つまらなかったで終わらずに、今そこに興味があるということは、きっと自分はまだ<作り手である>ということなのだと思う。