1065声 サラバ友よ

2010年11月30日

今日、世間の人たちが、血相変えて駆け込んでいたのは、
駆け込み寺として有名な縁切り寺「満徳寺」。
ではなく、家電量販店であった。

11月末日の今日は、家電エコポイント制度の満額ポイント付与の最終日。
明日の12月1日からは、そのポイントが、ほぼ半分となってしまう。
「そりゃてぇーへんだ」
ってんで、日本全国津々浦々の家電量販店では、駆け込み需要に大忙し。
都内の方では、行列作って購入を待っている。
と言う、テレビの報道も目にした。

先週末、私も遂に、地上デジタル放送対応液晶テレビを一台、
購入する事と相成った。
買い換えの動機は、勿論、この家電エコポイントの付与が大きい。
同時に、それまで使用していた、14インチ型アイワ製ブラウン管テレビデオを、
リサイクルに出した。
テレビの横に貼ってあった製造シールによると、2000年のモデルらしい。
「10年ひと昔」と言うが、まさに「テレビデオ」と構造自体が、
今や、「過ぎた時代の産物」、と言った感がある。
因みに、製造元のアイワは、2002年にソニーに吸収合併された。

思えば、愛着もあった。
このテレビデオに、である。
学生時代から社会人となった現在まで。
それは10代から20代と言う、我が人生において、
激動の時代を共に歩んできた。
謂わば、「戦友」の様な存在と言える。
映画を観て泣いたり、テレビ番組を観て笑ったり、一緒に時代を体感した。

この戦友が最後に引き取られて行ったのは、他でもない。
私が新しいテレビを購入した、家電量販店なのである。
リサイクル料金を払って、処分してもらった。
そうする事で、エコポイントの付与額が増額されるから。
駆け込んだここは、満徳寺でなく家電量販店だが、
縁を切る事に、変わりない。
量販店の台車に乗せられて、アルバイト店員の男子に運ばれて行く、
我が戦友の後姿。
ブラウン管の上に溜まっている埃が、やけに目立って見えた。

【天候】
終日、雲も風も無く、穏やかな冬晴れの一日。