今日、世間の人たちが、血相変えて駆け込んでいたのは、
駆け込み寺として有名な縁切り寺「満徳寺」。
ではなく、家電量販店であった。
11月末日の今日は、家電エコポイント制度の満額ポイント付与の最終日。
明日の12月1日からは、そのポイントが、ほぼ半分となってしまう。
「そりゃてぇーへんだ」
ってんで、日本全国津々浦々の家電量販店では、駆け込み需要に大忙し。
都内の方では、行列作って購入を待っている。
と言う、テレビの報道も目にした。
先週末、私も遂に、地上デジタル放送対応液晶テレビを一台、
購入する事と相成った。
買い換えの動機は、勿論、この家電エコポイントの付与が大きい。
同時に、それまで使用していた、14インチ型アイワ製ブラウン管テレビデオを、
リサイクルに出した。
テレビの横に貼ってあった製造シールによると、2000年のモデルらしい。
「10年ひと昔」と言うが、まさに「テレビデオ」と構造自体が、
今や、「過ぎた時代の産物」、と言った感がある。
因みに、製造元のアイワは、2002年にソニーに吸収合併された。
思えば、愛着もあった。
このテレビデオに、である。
学生時代から社会人となった現在まで。
それは10代から20代と言う、我が人生において、
激動の時代を共に歩んできた。
謂わば、「戦友」の様な存在と言える。
映画を観て泣いたり、テレビ番組を観て笑ったり、一緒に時代を体感した。
この戦友が最後に引き取られて行ったのは、他でもない。
私が新しいテレビを購入した、家電量販店なのである。
リサイクル料金を払って、処分してもらった。
そうする事で、エコポイントの付与額が増額されるから。
駆け込んだここは、満徳寺でなく家電量販店だが、
縁を切る事に、変わりない。
量販店の台車に乗せられて、アルバイト店員の男子に運ばれて行く、
我が戦友の後姿。
ブラウン管の上に溜まっている埃が、やけに目立って見えた。
【天候】
終日、雲も風も無く、穏やかな冬晴れの一日。