1073声 不摂生活

2010年12月08日

先日、知人と風呂へ行って、一寸、驚いた。
体が、随分と痩せているのである。
冬服の上からでは分かりづらかったが、
脱げば体の線が露わになる。

私は、身長と体重から割り出した数値によれば、
成人男性として、痩せ型から普通くらいの体型である。
しかし、今年受診した健康診断の結果で、
「血中コレステロール」なる数値が、やや高めだった。
要するに、血液ドロドロ状態。

昨年から今年にかけて、数値が倍くらいに跳ね上がっている。
別段、不摂生をした覚えは無く、年中、不摂生を下地に生活している。
不摂生と言えど、私などは強靭な体を持っている訳ではないので、
不摂生をすると、直ぐに体を壊す。

不摂生と言えば、私は不摂生、あるいは不摂生そうな、作家の作品を好む傾向にある。
本棚の背表紙を見ていて、そう感じた。
その道の大家であった、色川武大。
の、作品名はど忘れしてしまったが、確か、何かのエッセイに、
古今亭志ん生の不摂生の小噺が書いてあった。

「摂生して自動車事故で死ぬ人と、不摂生しながら生き残る人とでは、
やっぱり事故で亡くなる人の方が不摂生」

たしかこんなだったと思うが、この志ん生の小噺を聞いて、氏も同感である。
と言った内容だったと記憶している。

現象と相関の関係が、滅茶苦茶だが、志ん生の言いたい事は伝わる。
そして、志ん生がそれを噺している高座を、私が見ていれば、
おそらく頷きながら笑っているだろう。

これから師走も佳境。
体を騙しながら、不摂生に励むつもりである。

【天候】
冬晴れの一日だが、終日風強し。
したがって、夜半の冷えも厳しい。