先日、知人と風呂へ行って、一寸、驚いた。
体が、随分と痩せているのである。
冬服の上からでは分かりづらかったが、
脱げば体の線が露わになる。
私は、身長と体重から割り出した数値によれば、
成人男性として、痩せ型から普通くらいの体型である。
しかし、今年受診した健康診断の結果で、
「血中コレステロール」なる数値が、やや高めだった。
要するに、血液ドロドロ状態。
昨年から今年にかけて、数値が倍くらいに跳ね上がっている。
別段、不摂生をした覚えは無く、年中、不摂生を下地に生活している。
不摂生と言えど、私などは強靭な体を持っている訳ではないので、
不摂生をすると、直ぐに体を壊す。
不摂生と言えば、私は不摂生、あるいは不摂生そうな、作家の作品を好む傾向にある。
本棚の背表紙を見ていて、そう感じた。
その道の大家であった、色川武大。
の、作品名はど忘れしてしまったが、確か、何かのエッセイに、
古今亭志ん生の不摂生の小噺が書いてあった。
「摂生して自動車事故で死ぬ人と、不摂生しながら生き残る人とでは、
やっぱり事故で亡くなる人の方が不摂生」
たしかこんなだったと思うが、この志ん生の小噺を聞いて、氏も同感である。
と言った内容だったと記憶している。
現象と相関の関係が、滅茶苦茶だが、志ん生の言いたい事は伝わる。
そして、志ん生がそれを噺している高座を、私が見ていれば、
おそらく頷きながら笑っているだろう。
これから師走も佳境。
体を騙しながら、不摂生に励むつもりである。
【天候】
冬晴れの一日だが、終日風強し。
したがって、夜半の冷えも厳しい。