1074声 魂の故郷

2010年12月09日

混在」
ではなかろうかと、思う。
私が感じる、魅力的な街ってのは。

では、街中に何が混在しているのか。
それは、大掴みに言えば、生と死。

例えば、東京の下町。
江戸文化の薫りを漂わせた、ノスタルジックな街。
裏通りから飛び出して来たのは、近所の子供たち。
子供たちが、駆け回っている光景。
これは、街中の「生」である。

駆け回っている子供たちは、鬼ごっこでもしているのだろうか。
いや、露地の間を抜けて、寺の境内の御神木や、墓地の墓石に隠れている。
どうやら、かくれんぼ、であろう。
街中にある、墓地。
これは、街中の「死」と言えよう。

この様に、庶民の居住地区に、生と死が混在している街は、
とても魅力的である。
それを何故、「魅力的」だと感じるのか。
ひとつには、私たちが遺伝的に受けついできた、
感慨を刺激するのではないかと、思う。
誰しもが持っている、「魂の故郷」とでも言おうか。
そんな場所を、連想させるのだ、街中の生と死の風景が、きっと。

【天候】
朝より晴れ。
終日、風強し。