きもち風が吹いているが、師走半ばとしては暖かな日である。
昼飯を食べ終え、珈琲を飲みながら、机に肘をついてまどろんでいる。
私が常用する珈琲は、インスタントでなく、生意気にもドリップ式。
量販店で最下等の銘柄の物なので、満足はできない。
しかし、それなりに風味と薫りがあるので、よし、としている。
今日は、仲間の有志が中之条へ、かや刈りへ行っている。
私はと言えば、どうも体調が芳しくしないので、今日は冬籠りを決め込んだ。
午前中は、ずいぶんと久しぶりになる、洗車をした。
やたらと、図体ばかりデカイ車なので、洗うのに骨が折れる。
思えば、東京に住んでいる時分は、
2シーターのオープンカーを買おうと思っていた。
狭い道で小回りが利き、郊外へ行く時はオープンし、風を感じて颯爽と走る。
そう言う構想を思い描いていたが、群馬に帰郷する機が訪れてしまった。
それからは、SUV型の車を買って、のんびりと釣りでもしながら暮らそうと、
考える様になった。
そして、SUV型の車は買ったが、釣りなどへは一度も行かず、
狭い路地にある銭湯へ通っている始末。
「だったら、オープンカーの方が良かったか」
いや、自分が髪をなびかせながら、オープンカーを運転している姿を、
思い浮かべれば、答えは、否、である。
だから、洗うのが億劫でも仕様が無いと、心をなだめている。
土地柄、午後は赤城おろしが強く吹く。
それが、いつも決まって午後なのだ。
家の裏の畑をトラクターで耕しているおやっさんも、
午前中で切り上げて帰ったようだ。
やはり、農業に携わる者。
土地の性質を、熟知している。
このおやっさんの、おそらく父親であろう80年配のお爺さんが、
いつも耕しに来ていたが、昨年からは姿が見えない。
庭木がみな、風にあおられて、激しく揺れている。
さて、もう一杯。
台所で珈琲を注いで来るとしよう。
【天候】
若干風が強いが、終日、穏やかな冬晴れの一日。