1148声 春の釦

2011年02月21日

こう言う偶然もあるのか。
しみじみとそう感じたのは、今朝、偶然の再会を果たした時である。
年末から数えて、かれこれ、3ヶ月ぶり。
意外と近くに居たのに、私は全く気付かなかった。

今朝の事。
玄関の戸を開け、庭先へ出ると、芝生の上。
何やら、足裏に違和感を感じた。
小石でも踏んだのであろうと、足を上げて見ると、そこには、黒い釦が1個。
拾い上げて、確認すると、それは紛う方無き、私の遺失物の釦。

昨年の暮れ、である。
コートの釦を失くした、と気付いたのだが、
何処で失くしたのかが分からない。
おそらく、何度目かの忘年会の、何度目かに行った店の床あたりに、
転がっているのだろう。
などと、さして気にもせず、前釦の無いコートを着て、ひと冬越してしまった。
そして今朝、庭先の芝生の上で発見した釦が、その失くした前釦である。

釦をポケットにしまって、車へ乗り込む。
気付けばここ最近、エアコンを入れないで、走り出すようになった。
角を曲がる時に見えた、裏の田圃の遥かに聳える、榛名山。
薄く霞んでいる輪郭に、鳥が一羽、大きく旋回していた。

【天候】
終日、快晴。
ガソリン、1ℓ135円