そう言えば。
と思って、携帯電話をとり、メールを一通、送信した。
数分後の返信を読むと、予感は見事に的中していた。
メールの相手は、友人のH氏。
H氏が、その豊富な職業経験の中、原発で働いていた期間がある事を、
昨夜ふと思い出した。
今回のメールから、その原発とは、福島第一原発の一号機、
だった事が分かった。
今回の震災の報道を目に、耳にする度、心痛めている。
と、H氏のメール文面に記してある。
住んでいた土地なので、尚更の事だろう。
心優しく純情なH氏の性格を思うと、私も、及ばずながら、
心苦しい心持になる。
そのメール文面の終いには、被災孤児の受け入れに登録した。
と言う旨が記してあった。
H氏は、昔からいつも、素晴らしい事をさらりとやってしまう。
それを思うと、机の前で、鼻水と一緒に麦酒などを啜っている私の、
なんと、卑小なこと。
千円札を勘定しながら、小銭を募金箱に入れている私の、なんと。
そうは書きつつも、心の奥底。
自己弁護や自己正当化に関する屁理屈を、
隈なく、抜け目なく、探している。
そして、その屁理屈で持って、自己を肯定して、一杯やっている。
窓を開けると、雨上がりの湿った夜風。
動いているのは、遠く夜空に明滅している、赤い光だけ。
【天候】
朝から雨。
午後には上がり、終日、曇天。