1177声 赤い明滅

2011年03月22日

そう言えば。
と思って、携帯電話をとり、メールを一通、送信した。
数分後の返信を読むと、予感は見事に的中していた。

メールの相手は、友人のH氏。
H氏が、その豊富な職業経験の中、原発で働いていた期間がある事を、
昨夜ふと思い出した。
今回のメールから、その原発とは、福島第一原発の一号機、
だった事が分かった。
今回の震災の報道を目に、耳にする度、心痛めている。
と、H氏のメール文面に記してある。
住んでいた土地なので、尚更の事だろう。
心優しく純情なH氏の性格を思うと、私も、及ばずながら、
心苦しい心持になる。

そのメール文面の終いには、被災孤児の受け入れに登録した。
と言う旨が記してあった。
H氏は、昔からいつも、素晴らしい事をさらりとやってしまう。

それを思うと、机の前で、鼻水と一緒に麦酒などを啜っている私の、
なんと、卑小なこと。
千円札を勘定しながら、小銭を募金箱に入れている私の、なんと。
そうは書きつつも、心の奥底。
自己弁護や自己正当化に関する屁理屈を、
隈なく、抜け目なく、探している。
そして、その屁理屈で持って、自己を肯定して、一杯やっている。

窓を開けると、雨上がりの湿った夜風。
動いているのは、遠く夜空に明滅している、赤い光だけ。

【天候】
朝から雨。
午後には上がり、終日、曇天。