1192声 平日の昼の閑散

2011年04月06日

「しかし、ガラガラだな」
思わず心の中で呟いてしまったのは、
今日、行きつけの食堂の暖簾をくぐった瞬間。
いつもの平日の昼時は、工業団地の工員さんたちが、
店内にひしめいている筈。

お茶を持って来てくれた、おばちゃんに聞くと、
工業団地が全体的に、昨今の計画停電等の影響で、
勤務時間や出勤日が、大幅にずれているらしい。

「大変ですねぇ」
と声をかけたら、おばちゃん、薄笑い。
隣にある、チェーン展開のうどん屋さんが、
計画停電中は休業するので、お客さんが流れて来ると言う。
「停電特需」
ったら世間体が悪いが、今日みたいな日の反面、そんな日もある。
やはり、昭和時代を生き抜いてきた商売は強い。

おばちゃんは、自宅横の畑で、かき菜やほうれん草を作っており、
それを食堂の定食メニュー内で、出している。
今回の放射能汚染の報道で、自粛していたらしい。
私も、一番美味しい時期に、おばちゃんの春野菜を食べられない事を、
口惜しく思った。
奥から、食堂の若旦那が出てきて、まだ赤ちゃんの息子の為、
飲料水の確保に各商店を奔走した話を、意気揚々と語りだした。
おばちゃんは、先日、上毛新聞社の本社まで、義援金を届けに行ったらしい。
ここでもやはり、昭和時代を生き抜いてきた強さ、を感じた。

ラーメンを啜り終わって、箸を置く。
誰もいない店内に、テレビの音が響いている。
ゆっくりと、入口の硝子戸が音を立てて開いた。
入って来たのは、一見して職業の判別がつかない、常連のおやっさんだった。
そして、いつもの席で、いつものラーメン定食。

【天候】
終日、快晴。
晴れて、とても暖かい一日。
計画停電は、4月で一旦打ち切りとの発表。