「だから、好き」
携帯電話での通話を終了して、そう思った。
或る女性との会話。
では無いのが残念だが、通話口の向こうにいたのは、
銭湯の親父。
私がお世話になっている。
桐生市に在る、銭湯の大将である。
そう、だから私は銭湯が好きなのかも知れない。
と、改めて実感した。
用件は私の本の関連だが、その会話を足早に終え、
大将が、自身の取り組みの事を教えてくれた。
「取り組み」ってのは、「イベント」、ないしは「催し」とでも言おうか。
つまりは、銭湯が活気づく、「試み」でもある。
先の「子供の日」には、銭湯へ来てくれた子供に、ジュースをあげたり。
「敬老の日」には、割引やイベントをやったり。
そう言う事を継続的にやっている事は、以前から知っていたのだが、
今回感心したのは、震災支援の事、である。
地域の銭湯組合で音頭を取って、被災地に義援金を送ったり、
被災者の方々へ、入浴券を配ったり。
まさに、日本の銭湯文化に息づいている、「さりげない優しさ」、である。
「来てくれるかどうか、分かんねぇけどさ」
なんて大将は言っていらしたが、その優しさは、
相手に必ず伝わっている筈である。
私は、共感する。
その支援活動に、ではない。
それには、その大将の行動力には、深く感心している。
共感を覚えているのは、様々な場面において、
「自腹でやる」
と言う、大将の姿勢、である。
【天候】
終日、快晴。
ぼんやりとした青空で、蒸し暑し。