1232声 自腹の優しさ

2011年05月16日

「だから、好き」
携帯電話での通話を終了して、そう思った。
或る女性との会話。
では無いのが残念だが、通話口の向こうにいたのは、
銭湯の親父。
私がお世話になっている。
桐生市に在る、銭湯の大将である。
そう、だから私は銭湯が好きなのかも知れない。
と、改めて実感した。

用件は私の本の関連だが、その会話を足早に終え、
大将が、自身の取り組みの事を教えてくれた。
「取り組み」ってのは、「イベント」、ないしは「催し」とでも言おうか。
つまりは、銭湯が活気づく、「試み」でもある。

先の「子供の日」には、銭湯へ来てくれた子供に、ジュースをあげたり。
「敬老の日」には、割引やイベントをやったり。
そう言う事を継続的にやっている事は、以前から知っていたのだが、
今回感心したのは、震災支援の事、である。
地域の銭湯組合で音頭を取って、被災地に義援金を送ったり、
被災者の方々へ、入浴券を配ったり。
まさに、日本の銭湯文化に息づいている、「さりげない優しさ」、である。

「来てくれるかどうか、分かんねぇけどさ」
なんて大将は言っていらしたが、その優しさは、
相手に必ず伝わっている筈である。
私は、共感する。
その支援活動に、ではない。
それには、その大将の行動力には、深く感心している。
共感を覚えているのは、様々な場面において、
「自腹でやる」
と言う、大将の姿勢、である。

【天候】
終日、快晴。
ぼんやりとした青空で、蒸し暑し。