「小笠原諸島」
へは、行った事が無い。
それを、いま、痛切に後悔している。
先程、この小笠原諸島の世界遺産登録が決定した。
と言うニュースが出た。
北海道の知床。
青森、秋田県にかかる白神山地。
鹿児島県の屋久島に続て、国内四カ所目となる。
「東洋のガラパゴス」
その惹句に魅かれ、学生時分、何度旅行計画を練ったことか。
父島と母島へ行くのは、私のささやかなる夢であった。
そこは地球創成期から、一度も陸地とつながった事が無く、
その為、独自の進化を遂げた生き物が数多くいる。
これがガラパゴスと、言われる由縁だが、
日本列島以上外国未満で、このガラパゴスには気軽に行けそうなした。
それがおそらく、「気軽に」なんてのは、今夏から数年は、無理だろう。
「世界遺産」
の効力は私も聞きしに及んでいる。
それでも、いつかは行きたい場所の一つである。
ガラパゴス、だから魅かれたのかも知れない。
あの路地にも、横丁の銭湯にも、そして俳句にも。
産業でも、このガラパゴス化が顕著な日本。
技術では世界水準を上回っていても、世界市場へ一歩踏み出すと、
ほとんどシェアを握れないでいる。
つまりは、競争力が無い。
考えて見ると、人に於いても、その人がガラパゴス化している部分に、
魅かれる場合が、多々ある。
例えば、高校生時分に、同窓だった友人。
彼の趣味がギター、てぇんで、私の家へ呼んでギターを弾いてもらった。
上手い。
いや、片田舎の高校生としては、上手過ぎる。
直ぐさま彼に、バンドを結成する事を進めたが、彼、乗り気でない。
と言うか、興味が無いのである。
純粋に、ギターを黙々と練習するのが好きなのであって、
己の才を発表しようなどとは、これっぽっちも思っていない。
そのガラパゴスギター。
もったいない限りだが、ガラパゴスとはそう言うものである。
競争力も共生力も無い。
しかし、競争も共生も、所謂「世界」に自ら照準を合わせてして行くべきなのか。
とも思う。
「良いじゃないか、ガラパゴスでも」
世界の照準が当たった時、この独自の道を行ったガラパゴス人間たちは、
きっと、それを驚愕させるだろう。
【天候】
終日、雲多くも晴れて蒸し暑い。
今日も猛暑日、夕方、とても綺麗な夕焼け。