1271声 ガラパゴス化でありにけり

2011年06月24日

「小笠原諸島」
へは、行った事が無い。
それを、いま、痛切に後悔している。

先程、この小笠原諸島の世界遺産登録が決定した。
と言うニュースが出た。
北海道の知床。
青森、秋田県にかかる白神山地。
鹿児島県の屋久島に続て、国内四カ所目となる。

「東洋のガラパゴス」
その惹句に魅かれ、学生時分、何度旅行計画を練ったことか。
父島と母島へ行くのは、私のささやかなる夢であった。
そこは地球創成期から、一度も陸地とつながった事が無く、
その為、独自の進化を遂げた生き物が数多くいる。
これがガラパゴスと、言われる由縁だが、
日本列島以上外国未満で、このガラパゴスには気軽に行けそうなした。

それがおそらく、「気軽に」なんてのは、今夏から数年は、無理だろう。
「世界遺産」
の効力は私も聞きしに及んでいる。
それでも、いつかは行きたい場所の一つである。

ガラパゴス、だから魅かれたのかも知れない。
あの路地にも、横丁の銭湯にも、そして俳句にも。
産業でも、このガラパゴス化が顕著な日本。
技術では世界水準を上回っていても、世界市場へ一歩踏み出すと、
ほとんどシェアを握れないでいる。
つまりは、競争力が無い。

考えて見ると、人に於いても、その人がガラパゴス化している部分に、
魅かれる場合が、多々ある。
例えば、高校生時分に、同窓だった友人。
彼の趣味がギター、てぇんで、私の家へ呼んでギターを弾いてもらった。
上手い。
いや、片田舎の高校生としては、上手過ぎる。
直ぐさま彼に、バンドを結成する事を進めたが、彼、乗り気でない。
と言うか、興味が無いのである。
純粋に、ギターを黙々と練習するのが好きなのであって、
己の才を発表しようなどとは、これっぽっちも思っていない。

そのガラパゴスギター。
もったいない限りだが、ガラパゴスとはそう言うものである。
競争力も共生力も無い。
しかし、競争も共生も、所謂「世界」に自ら照準を合わせてして行くべきなのか。
とも思う。
「良いじゃないか、ガラパゴスでも」
世界の照準が当たった時、この独自の道を行ったガラパゴス人間たちは、
きっと、それを驚愕させるだろう。

【天候】
終日、雲多くも晴れて蒸し暑い。
今日も猛暑日、夕方、とても綺麗な夕焼け。