1319声 霍乱注意報

2011年08月11日

「霍乱」
とは言わなかったが、私が学生時分、なのでおよそ平成一桁くらいには、
巷では概ね、「日射病」と呼んでいた。
現在の「熱中症」を、である。
霍乱の意には熱中症の症状の他に、コレラやチフスなどの症状も含まれていたし、
熱中症には、一昔前の日射病やら熱射病やらの症状の意も含まれている。
暑い季節の為か、随分とくくりがおぼろげである。

気温が、軒並み35℃以上を観測していた今日の列島各地。
熱中症の症状で病院に担ぎ込まれる人が、
多数出ていると言う報道があった。
群馬県内でも館林などは39℃近く、戸外での体感温度は、
それ以上にもなっているので、無理も無い。
日が昇ってから沈むまで、街中では救急車のサイレンが鳴り響いている。

今日、用事があって、郊外の総合病院へ行ったら、入口受付。
戸外で労働していると思しき作業着の男性が、駆けこんで来た。
息せき切って、受付の女性事務員に告げたのは、
「すんません、同僚が熱中症みたいなんで、連れて来たんすけど」
作業中に同僚が体調を崩してしまったらしく、車で即座に搬送して来たらしい。
いくら、暑さに強いと言われる群馬県人でも、最近の暑さは殺人的である。

杉田久女に、こんな句がある。

かくらんに町医ひた待つ草家かな (久女)

郊外の「草家」にあって、熱中症の症状で倒れた人の傍らにいる。
先程、連絡した町医者の到着を、今や遅しとひたすらに待っていると言う情景が浮かぶ。
現代では、携帯電話で救急車をすぐに呼べるし、先の病院の光景のように、
相当な山間部でなければ、車ですぐに病院へ搬送できる。

それを容易にできないのが、一人暮らしのお年寄り。
折からの節電で、冷房を付けずに高温多湿の室内に居て、
熱中症で倒れる、と言うケースが増えていると言う。
銭湯みたいな場所で、近所の各世代の方々が、
お年寄りと触れ合えれば良いのだが、中々、そう簡単にもいかない。
簡単にもいかないので、せめて、ここに書く事くらいしか、出来ないが、
久女の句の様な状況になる事だけは、注意しよう。

【天候】
終日、猛暑日。
暑さ甚だ、苛烈。