1321声 企業城下町の銭湯

2011年08月13日

現在時刻は9時半。
既に炎天の、苛烈なる日差しが降り注いでいる。
これを記している今日は、8月15日。
つまり、月曜日の終戦記念日なので、土曜日の13日から、
2日間分の更新を溜めてしまった事になる。

ちと、遠出をしていた。
行先は、茨城県は日立市である。
「企業城下町」と言う呼び名があるが、日立製作所を構える日立の街は、
まさにその名にふさわしい。
駅から広がる街並みは、広大な敷地面積を持つ日立製作所を核に、
関連企業、住宅、ホテル、商店、等、高度経済成長期より新興した都市の印象である。
どことなく、近未来的な雰囲気を感じるのは、「街の色」だと思う。
「コンクリート」の色なのである、街一色。
その中に「配列された」、夏木立が、とても印象的だった。

企業人でもない私が、何の目的で、この企業の街へ行ったかと言うと、
「銭湯」なのである。
日立市は現在、茨城県内最大の銭湯保有県。
仰々しく書いているが、その数は、3軒を残すのみとなってしまった。
すなわち、「福の湯」、「松の湯」、「東湯」。
いずれも、日立の街の高度経済成長を支えた地元の湯であり、
先の震災を耐え抜いた、湯である。

日立市に入ると、やはり、震災の爪後は所々に確認できた。
ブルーシートが乗っている家、崩れたままの塀、隆起した道路。
銭湯も然りで、駅前銭湯である「福の湯」の女将さんに聞いたところ、
3月11日の震災で、屋上のタンクが2基とも破損してしまったとの事。
しかし、15日には応急処置で復旧し、16日から営業を再開したと言う。
16日は無料営業とし、入口には湯客が並ぶ程、盛況だった。
入浴の大切さは勿論の事、銭湯が、非常時の地域コミュニティーとして、
重要な機能を果たした事実が確認できてよかった。
三軒どれも、今尚、地元に愛されている銭湯であった。

一日に三軒を回ると言う無謀な予定をこなしたが、
やはり忙しく、満足に湯に浸かれなかった。
しかも、炎天下、車のバッテリーが上がってしまった。
彷徨い歩いて見つけた、ガソリンスタンドでそのバッテリーを交換し、
日立の街に逗留すると言う、おぼろげな状況になってしまった。
しかし、流石は企業の街、駅前の居酒屋には事欠かなかった。

【天候】
終日、炎天。