現在時刻は9時半。
既に炎天の、苛烈なる日差しが降り注いでいる。
これを記している今日は、8月15日。
つまり、月曜日の終戦記念日なので、土曜日の13日から、
2日間分の更新を溜めてしまった事になる。
ちと、遠出をしていた。
行先は、茨城県は日立市である。
「企業城下町」と言う呼び名があるが、日立製作所を構える日立の街は、
まさにその名にふさわしい。
駅から広がる街並みは、広大な敷地面積を持つ日立製作所を核に、
関連企業、住宅、ホテル、商店、等、高度経済成長期より新興した都市の印象である。
どことなく、近未来的な雰囲気を感じるのは、「街の色」だと思う。
「コンクリート」の色なのである、街一色。
その中に「配列された」、夏木立が、とても印象的だった。
企業人でもない私が、何の目的で、この企業の街へ行ったかと言うと、
「銭湯」なのである。
日立市は現在、茨城県内最大の銭湯保有県。
仰々しく書いているが、その数は、3軒を残すのみとなってしまった。
すなわち、「福の湯」、「松の湯」、「東湯」。
いずれも、日立の街の高度経済成長を支えた地元の湯であり、
先の震災を耐え抜いた、湯である。
日立市に入ると、やはり、震災の爪後は所々に確認できた。
ブルーシートが乗っている家、崩れたままの塀、隆起した道路。
銭湯も然りで、駅前銭湯である「福の湯」の女将さんに聞いたところ、
3月11日の震災で、屋上のタンクが2基とも破損してしまったとの事。
しかし、15日には応急処置で復旧し、16日から営業を再開したと言う。
16日は無料営業とし、入口には湯客が並ぶ程、盛況だった。
入浴の大切さは勿論の事、銭湯が、非常時の地域コミュニティーとして、
重要な機能を果たした事実が確認できてよかった。
三軒どれも、今尚、地元に愛されている銭湯であった。
一日に三軒を回ると言う無謀な予定をこなしたが、
やはり忙しく、満足に湯に浸かれなかった。
しかも、炎天下、車のバッテリーが上がってしまった。
彷徨い歩いて見つけた、ガソリンスタンドでそのバッテリーを交換し、
日立の街に逗留すると言う、おぼろげな状況になってしまった。
しかし、流石は企業の街、駅前の居酒屋には事欠かなかった。
【天候】
終日、炎天。