1330声 句会のO氏

2011年08月22日

秋気が日を追う毎に澄んできて、
朝の珈琲の香りが、心地好くなってきた。
まだ、日中は蝉の声を聞くが、夜には虫の音が聞こえ、
窓を開けていると肌寒いくらいである。
このくらいの気候になってくると、冷えたピルスナー麦酒よりも、
常温のエール麦酒を飲みたくなってくる。
そうなると、国内で開催されるオクトーバーフェストなども、
そろそろ待ち遠しくなってくる。

毎月参加している俳句会の仲間に、Oさんと言う方がいる。
Oさんはいつも、吟行場所である公園に、自転車で来る。
春も深まったその日も、颯爽と自転車で来て、木陰に停め、私の所へ歩いて来た。
片足を引きずるように歩いていたので、「怪我ですか」と問うと、Oさん。
苦虫を噛みつぶしたような表情で、「つーふーだよ」と、一言。

痛風。
風が吹くだけでも、痛いと言うのは聞いているし、
Oさんの表情を見ていれば、その具合が伝わって来る。
句会が終わり、会場から駐輪場まで、足を引きずりながら帰るOさんは、
冷や汗流しながらとても辛そうだった。
そのOさん、先月の夏の句会には来なかったので、おそらく足が痛むのであろうか。
メールでの不在投句で、Oさんの句には、「冷酒」と言う季題を使った句が多かったので、
静養していても、酒は飲んでいるのだろうかと、心配になった。

これから、夏にも増して、麦酒の美味い季節の到来である。
その入口にある今日この頃、Oさんの具合を心配すると共に、
自分の事も心配になっている。
読書諸氏で、もし俳句をたしなむ人は、夏に詠んだ句を見てみるとよい。
冷酒、麦酒などの句が多い人は、要注意かも知れない。
痛風になるのは、そのほとんどが男性、と言う。
「痛風になったら、痛風の句でも作るか」
なんて、Oさんの苦悶の表情を思い出したら、気軽に言えない。
私に場合は、痛風よりも、まず心配すべきは最近顕著になってきた、
麦酒腹かも知れない。
Oさん、秋の句会には出てくるだろうか。

【天候】
終日、曇天で涼しい日和。