1332声 蝉の声虫の声

2011年08月24日

薄くなった秋の雲を貫くように日射しが注いでいる。
すなわち、残暑で蒸し暑い日である。
やけくそ気味に鳴く秋の蝉も、涼やかに響く虫の音に、肩身が狭そう。

喘ぐように鳴いている、あの蝉は、油蝉。
少し前は松蝉がいて、みんみん蝉もいた。
夕方によく聞くのは、法師蝉やひぐらし蝉など、
一重に「蝉」と言ってもその種類は多い。
まだ、にいにい蝉や熊蝉など、お馴染の蝉もいる。
その鳴き声を聴き分けるのも、まや一興である。

蝉は大方の人がその種類を聴き分けられるだろうが、
「虫」の方はどうか。
秋の野に鳴いている、虫である。
鈴虫、こおろぎ、松虫などは大丈夫であろうか。
邯鄲、くつわむし、きりぎりす、鉦叩、馬追などになって来ると容易ではない。
繊細な感覚が必要になってくるが、その一つ一つに味わいがある。
書いていながら、私にも聴き分けられるか、怪しい部分がある。

しかし、残暑の折り、鳴き始めた虫たちの声に耳を傾けるのも、
夜を涼しく過ごす、工夫のひとつかも知れない。 

【天候】
終日、晴れ間のある曇天。
蒸し暑い一日。