1379声 第7回東京銭湯ナイト

2011年10月10日

新宿駅東口を出て、歌舞伎町へ入る。
この喧騒の中を行くのは、丁度一年ぶり。
季節は確実に巡っているの。
しかし、一年前の同じ日同じ時間に、同じ様な秋の夕暮れ時の露地を歩いていると、
「本当に一年経ったのだろうか」
と言う錯覚に陥る。
つい昨日の様な心持でもあり、遠い昔のような心持でもある。

「銭湯ナイト」の会場である「ロフトプラスワン」へ着くと、入口に「第7回」とあり、
やはり「第6回」から一年経ったのだと、感じる事が出来た。
地下へと続く階段を下り、会場に入る。
慌ただしく搬入や設置を済ませ、これまた慌ただしく様々な関係者の方々と挨拶。
そして近況報告や情報交換などを済ませ、雪崩式に開場。

イベント自体は、いわずもがなの大盛況。
三連休の最終日にも関わらず、満席になっていた。
夜も深い時間まで、東北の銭湯を中心とした濃い話が続く。
町田氏や出演者の方々の保有する、東北銭湯の秘蔵の写真が、
貴重な市井の文化遺産であると、この大震災を通して、改めて実感した。

ぽつりぽつり、と自身の本も売れ、今回の目玉として持って行った、
「群馬伝統銭湯地図」もまずまず配布出来た。
去年買って下さった方々の感想を聞く機会があり、
まさに自ら直販できるこのイベントならではの事だったので、新鮮だった。
今回は早上がりして、東京から新幹線の最終へ飛び乗って帰路へ。
新幹線の終電。
と言うのは、初めて利用した。
寝静まった街を猛スピードで走り抜ける、車内販売の来ない、ひっそりとした車内は、
いささか寂しい思いがした。
窓に反射する光を眺めていたら、つい先程までの、煩わしい繁華街の喧騒や、
下品に揺れる原色のライト、そして熱気あふれる地下の一室が、妙に懐かしくなっていた。

【天候】
終日、秋日和。