1429声 フーテンハイク

2011年11月30日

11月29日の昨日であった。
寅さんの誕生日が、である。

「寅さん」
と言うのは、もちろん、「男はつらいよ」シリーズの主役、「車寅次郎」である。
寅さんにおける、誕生日などの出生は、明確には決まっていない。
しかし、第26作の劇中、寅さんが履歴書を提出するくだりがあり、
その生年月日の欄に、1940(昭和15)年11月29日と記載されている。

寅次郎を演じた渥美清さんは、「フーテンの寅」にちなみ、
「風天」と号して俳句に親しんでいた。
と言うのは、男はつらいよフリーク、いや、渥美さんフリークなら周知のことであろう。
風天俳句に関する著作もあるし、インターネットでも句を読めるので、
この誕生日をきっかけとして、すこし風天を見てみようと思った。

以下、抜き書きの俳句、作、風天。

赤とんぼじっとしたまま明日どうする

村の子がくれた林檎ひとつ旅いそぐ

貸しぶとん運ぶ踊り子悲しい

ゆうべの台風どこにいたちょうちょ

お遍路が一列に行く虹の中

寅さんにも渥美さんも、やはり心の中にはいつも「旅」があったのだ。
それは、みんなでわいわい行く観光の旅ではなく、
一人で孤独を背負って行く、まさに寅さんのような旅。
渥美さんは、尾崎放哉が好きだったと言う。
寅さんフリークとしては、寅さんと尾崎放哉が出遭ったら。
と言う、筋書きを想像してしまう。

【天候】
終日、冬日和。