「ろーばい」。
「狼狽」の方ではなく、「蝋梅」の方。
西上州では、いま八分咲きと言ったところ。
今日も、山間部を車で走行していたら、
偶然蝋梅の丘を見つけ、車を停めてしばし眺めていた。
寒い時期の花なので、雪と取り合わせた俳句が多くある。
蝋梅や雪うち透かす枝のたけ (芥川龍之介)
確かに、丘の上の蝋梅は、彼方の雪峰と、互いに輝き合うようだった。
あの、小さな飴細工のように艶やかで、明るい黄色の花は、
澄んだ冬空と良く合う。
悲しくも、平日の昼間にそんな風光をゆったりと楽しむ余裕はなく、
ぼーっとしていた時間を取り戻すべく、あたふたと車に戻った。
それからの一日は、もうひとつの「狼狽」と馴染み深い。
【天候】
終日、快晴。