1524声 梅林の夕景

2012年03月04日

「箕郷梅林はもう咲いていますか」
電話の画面には、そう書いてあった。
眠い目を擦りつつ、意識朦朧としつつも、
「たぶん咲いてます」
と言う旨の一文をどうにかメールで返信して、また寝床に潜り込んだ。

起床し、珈琲を一杯飲んで意識もはっきりして来ると、
だんだん不安になって来た。
「果たして咲いているのだろうか」
それがどうしても気になって、自分の目で確かめることにした。
開花状況を確かめると共に、梅の句も作ってこようと思った。

ぐずぐずしてから家を出たので、梅林に到着した頃には、日が傾いていた。
概ね二部。
高台から眺める梅林は、そのくらいの開花状況だった。
中には、早咲きの種類なのであろうが、ほぼ満開になっている紅梅も数本あった。
日没の滲んだ日色と、紅梅の深い色合いが溶け合って、美しい。
逆光の中で、その光景を五七五にしようと試みたが、
どうにもしっくりした句ができなかった。
がらんとした駐車場には、まだ骨組みだけの梅見小屋が建っていた。
メールをくれた主には、ちと悪いことをしたと反省した。

【天候】
朝より曇天。
日が沈んでから、雨。