1573声 冷たいワイン 前編

2012年04月23日

週末からことに冷え込んでいて、月曜日の今、
部屋にいるのだが、セーターを着ている。
それほど寒いと、飲んでいる麦酒の味もなんだか精彩が欠けており、
後味が悪い。

後味の悪さで思い出したのだが、確か一月位前。
四月からの新生活を機に、故郷の高崎市を離れ、
東京で暮らすと言う男の友人と、ちょっとした送別を兼ねて飲んだ。
友人の趣向で、イタリアンレストランなる店に行った。
そうは言っても、郊外の小さなパスタ店と言った風の店舗で、
敷居はそれほど高くない。
店内の雰囲気も良いのだが、よれよれのシャツと破れ掛かったジーンズ。
と言う自分の格好が、何だかその雰囲気から浮いている様に感じた。

まず麦酒を注文したのだが、ピルスナーグラスでもない何だかやけに細長く、
小賢しい印象のグラスでやってきた。
一口で飲みほし、直ぐさま、いささか観念しつつ手頃なワインボトルを注文した。
ワインが運ばれて来て、その店員に先程の小賢しいグラスは下げてもらったのだが、
この女店員がグラスよりも更に小賢しい印象であった。
鼻が高く整ったその顔立ちには、日本人放れした美しさがあるのだが、
その瞳の奥には、ぶっきらぼうな冷たさが感じられる。
ここがこう、と言う目立った行動ではなく、その所作ひとつひとつから滲み出る。
と言った風の、何だか侮蔑の色合いを持った印象である。

何だか、くどくどと長くなってしまったので、続きはまた明日に。

【天候】
終日、小雨。