1576声 初蛙

2012年04月26日

4月26日。
この日は定例の句会の為、夜、素竹邸へ出掛けた。
朧や春風あたりで句を作ろうと、夜景色の見える家の裏手を歩いていた。
あの朧夜特有の、音が吸い込まれてゆくような、静けさ。
それを未だに上手く五七五では表現し得ていないのだが、
あの朧の中にいる心地好さを体感していると、心が安らいでくる。

しばらく吟行していると雨が降り出してきたので、
外にいた他のメンバーと慌てて家の中へ退散した。
締め切り時間も迫っていたので、句を整理していると、雨につられて一匹の蛙が鳴き始めた。
季語で言うところの「初蛙」である。
蛙の句をさっと忍び込ませて、いざ句会。
私の不出来な句を笑うように、庭先の闇から時折、蛙の笑い声が上がった。

【天候】
終日、断続的な小雨