1620声 ふにふに感

2012年06月09日

昨夜、である。
夕涼みに出掛けようと、夕闇の中で自転車に跨った。
ハンドルに手を掛けた瞬間、「ぬぎゅっ」と言う、得体の知れぬ触感。
反射的にハンドルから手を離すと、ぽてっと地面に落ちた小さな物体。
薄闇の中で目を凝らすと、その物体。
ひょこり、ひょこりと水道の流し台の裏へ逃げてゆくではないか。

「蛙」
その物体の正体が、である。
逃げてゆく後ろ姿を眺めつつ、擬態の上手さに舌を巻いた。
つまり、ハンドルの黒色との保護色になるように、
自らの体色を灰色にしていたので、そこに夕闇も相まって気付かなかった。
にしても、わざわざハンドルの上で休まなくても良いのに、と思うが、
私と自転車都合は、あの蛙に関係しない。
手にはまだ、あの「ぬぎゅっ」とした、蛙のふにふに感が残っている。

【天候】
梅雨入りで、終日雨。