1660声 かぶと虫

2012年07月19日

夕涼みにと、裏の田圃へ足を向けた。
今日は随分と夜風が涼やかなので、連日続いている熱帯夜も、
今宵は打ち止めになるだろうと感じた。

足元に吹き来る涼風。
かさこそかさこそ、草々が乾いた音を立てる。
少しばかり集中すると、俳句が一つ二つ出来たが、
「晩夏」の句ばかりできて困った。

それならばそれとして、解釈すればよいのだが、
本当の晩夏ではない、つまり、まやかされた感覚に頼った句なので、
安易には残せない。

そう言えば昨日、今年初のかぶと虫を見た。
メスであったが、丸々と太って、動き方にも活力が漲っていた。
壁にはりついていたところを見ていたら、ぺぺぺっと飛んで行った。
お尻が重たそうで、飛ぶのは不得意なのであろう。
「カツン」と硝子戸に当たって、落下してしまった。
上手いもので、落ちる途中、壁に爪を噛ませて地面に落ちずに済んだ。
じりじりと降り注ぐ日差しを吸うように、白壁に一点、黒く輝いていた。
まだ、夏は始まったばかりである。

【天候】
終日、晴れ。
日没後、暑さ大分ゆるむ。