1707声 秋の反響

2012年09月06日

秋の夜である。
風物が澄んでいるので、宵の景色が綺麗に見える。
雲に映る紫色の夕焼け。
遠くに瞬いている潤んだ夜景。
虫の声も、立秋の頃からは代替わりしているようで、
よりしみじみとした音色になってきた。

部屋の隅に立てかけてあるギターを手にとって、
鳴らしてみると、そこはかとなく鳴りが良い。
アコースティクなので、音の違いはエレキギターより繊細に分かる。
秋の空気を吸った木が、弦の振動をよく反響させているのか、
はたまた、自分の感覚が鋭敏になっているのか。
弦はいつの間にか随分と錆びていたが、自分の腕よりはましなようである。

【天候】
快晴、夕方一時雨。