1786声 風景を噛む

2012年11月26日

ローカル線のリズムは、つくづく、眠気を誘うものである。
乗車時間が二時間近くあるので、高崎駅の書店で、一冊分厚い文庫を購入した。
乗車して頁を開き、ほんの二、三頁を読み終えたところで、眠気に襲われ、
以降小一時間は記憶なし。
読んでいたのが句集だったので、物語に引き込まれなかったと言うこともあろうが、
それにしても、良く寝てしまった。
乗降率の高い路線よりも、一駅の区間の長いローカル線の方が快眠できる気がする。

ぼんやりとした商店で、ローカルな風景を眺める。
枯野に荒れた田圃、朽ちた看板と疎らな人家。
そんな蕭条たる景色を眺めていると、胸の奥が締め付けられるような思いがする。
そんな風景は、眺めるのではなく、噛み締める様に味わうものだと、感じた。

【天候】
日中、冷たい雨。
夜には回復。