5605声 不思議な香り

2023年10月13日

13日の金曜日。

素晴らしい秋空。朝も昼も夕方もとても気持ちよく歩けた。

さて、職場からの帰り道は夕間暮。

西の空にはまだ明るさが残っているものの、あたりは夕闇に包まれようとしていた。いつものように歩いて帰ったのだが、ちょっとした交通事情で、いつもとは違う道のりとなった。交差線で合流待ちしている車が行き先を塞いでいたので、普段曲がる角を曲がらずに直進したのだった。公園の脇を通るその道を進むとなにやらいい香りがしてきた。

毎年この季節にかぐ香りだ。薄暗いなかを少し見回したが、香りのもとを見つけることはできなかった。どうやら公園の反対側にある寺の境内から香って来ているらしい。高い塀にはばまれているのと薄暗さも手伝って、それを目で確認することはできなかった。が、鼻でしっかりと確認することができたのでよしとしよう。

これが今年初めての金木犀だ。

毎年、どこかで出会っている香りなのに、どこで出会っていたのか思い出せない、不思議な香りである。