食文化研究会

2008年09月12日

 今月の6日、前橋の上毛会館で群馬の食文化研究会主催の、文字通り「研究会」が開かれました。テーマは、第1部が「世界の食糧問題と日本の‘農’について」。第2部が「今日の‘食’を考える」。群馬の食文化研究会は興味さえあれば誰でも入れるんですけれど、会員の方々というのは実に多彩で、現場の農家からJAの理事から、大学の教授、医者、栄養士、学校の先生、食生活改善推進委員、経営者、主婦、そして、私のような料理研究家までいろいろです。
 だいたいこういう研究会は、現実論に終始して根本を掘り下げるところまで行かないか、あるいは理想論に陥って普段の生活とどう関係があるのかわからない、といったことになりがちなのだけれど、今回はきっちり両方網羅されていて、とても満足感がある研究会でした。
 「現実論」ていうのは「市場原理至上主義の中で農業はどうやって生き残っていけばよいのか」ということでしょうし、「理想論」というのは「農業や食文化が、利潤を得るということだけを前提にして語られていいのか」ということでしょう。こんな切羽詰った時代を生きていくためにはどっちも必要なんですけれど、どっちも網羅できるこの食文化研究会は懐が深いなと感じました。これからはそういう懐の深さがないと、もういい知恵は生まれないんだと思います。(堀澤)