日曜日。
午後の陽が白くまどろみ、蒸し暑さに耐えて待つ、
人影も疎らな高崎駅0番線ホーム。
改札口で、今回の参加者たちと顔合わせ。
馴染みの顔ぶれと、初参加の方1名を交え、上信電鉄に乗車。
のんびりと走る老列車に揺られ、一路、富岡市を目指す。
古びた扇風機が、億劫そうに生温かい風を掻き回す車内。
居眠りする、部活帰りの高校生の横で、ゆったり句作。
田園風景に見とれていると、
やがて現れて来たのは、穏やかな町並みと上州富岡駅。
古風な駅舎を出て、富岡製糸場の在る、商店街方面へと歩く。
途中、往来の茶店に「ソフトクリーム」の看板を発見。
釣られて店内へ入り、「焙じ茶ソフトクリーム」なる地ソフトで、涼を感じる。
店を出た後は、いよいよ、路地街へと足を踏み入れる。
肉屋の前、高校生たちが群れて食べているのは、コロッケ。
私等も、その「まゆコロッケ」なる揚げ立てコロッケを購入し、路上にて食す。
「何某なる」と言う調子の、珍しい食べ物を見たら、直ぐに食いたくなる一同。
このコロッケ、ジャガイモが甘くて、非常に美味い。
そして、目的の富岡製市場を見る前に、早速、ひとっ風呂。
ってな目論見で、銭湯へ向うが、軒先には「日曜定休」の文字。
マグマの如く、不満が溢れる参加者一同。
私は冷汗三斗の思いで弁解し、そそくさと富岡製市場へ向かう。
富岡製糸場の情感に触れ、皆、思い思いに、筆を取る。
やがて陽も傾き、路地裏の提灯に灯が入ると、誘蛾灯に寄る虫の如く、
吸い寄せられ、生麦酒で乾杯。
どう言う訳か、飲んだら筆の調子が良い方もいらっしゃる。
麦酒を一杯、俳句を一句。
流れ流れて、日暮れの列車に乗り、高崎駅へ到着。
何時もの事ながら、怪しい呂律の酔っ払いも居れば、素面の方も居る。
駅近の洒落た蕎麦屋で、俳句の発表。
夏の宵、店内に居るカップルたちの、怪訝な視線を掻い潜り、秀句を発表。
さて、今回の「第8回ワルノリ俳句ing」、結果発表は明晩。
期待していて、ようござんすよ。(抜井)