駅に着き、電車の扉が開く。
生温かい風に乗って、蝉時雨のオーケストラが耳を劈く。
午前11時45分の伊勢崎駅で、今回の参加者と顔合わせ。
お盆の中日だからか、今回はこじんまりとした俳句ing。
早速、キオスクでサンドイッチと缶麦酒を買い込み、
東武鉄道へ乗車。
太田駅で乗り換えて、丁度昼時には館林駅に到着。
駅を出て、さるルートより、事前に入手していた、
館林市内の「まちなか散策ガイド」を参考に、
炎天下、路地の奥へと歩みを進める。
「竜の井」、「毛塚記念館」と、ガイドに載っている、
名所や文化財を順に訪ねて行く。
店構えから感じる直感で、中華食堂に入り昼食。
暖簾をくぐると、店内は満席。
隅に一席用意してもらい、ラーメンを注文。
常連さん等は、既に出来上がっている人数名で、
テレビの高校野球と、妻の悪口とに真剣である。
店を辞してから、知る人ぞ知ると言う有名なかき氷を一つ購入し、
参加者全員で回し食い。
「市立図書館」、「田山花袋記念文学館」、「旧上州モスリン事務所」など、
文化施設にも足を伸ばす。
程なく陽も傾き、目当ての「梅の湯」まで来ると、本日定休日。
参加者一同の鋭い視線が私に刺さり、炎天下の路地裏で悪寒を感じた。
近くに在るもう1軒の銭湯、「松の湯」で、ひとっ風呂。
生き返った様な心持で、屋上ビアガーデンにて乾杯。
夕景の館林を望みながら、ゆったりと句を認める。
日暮れて、本日の行程のトリを飾る、「下町夜市」を見学。
往来に地元商店が並び、焼き物の良い匂いが漂う。
その中、路上で演奏する若者たち。
学生バンドの荒削りなロック、ユニットの抒情的なホップス、
プロ顔負けの腕前を見せるジャズバンド等々が、イベントに花を添える。
私等は、牛スジ煮込みを突きながら、夜市を観賞し、
土地の人々の活気に酔っていた。
終戦の日の平和的な夜は更け、俳句の発表が終わり、俳句ingもお開き。
さて、今回の「第9回ワルノリ俳句ing」、結果発表は明晩。
群馬の良いトコが、またひとつめっかった。(抜井)