第14回ワルノリ俳句ing

2010年05月25日

県道25号線。
地元の人間誰もが、この道を通称「高渋線」と呼ぶ。
雨降りの早朝、私はその高渋線を、バスに乗って北上して行く。
つまりバスは、高崎市から渋川市方面へと、向かっている。
バスの中には、私と老婆と車掌のみ。
渋川市に入る手前の寂れたバス停で、停車。
腰の曲がった70がらみの、その老婆が、億劫そうにバスを降りる。
バスカードを持っているので、おそらく常連だろう。
老婆の被っている帽子に、黄ばんで浮き上がっていた汗染み。
その下にある、深く年輪の刻まれた小さな顔が、瞼の裏に残っている。
荒々しくドアが閉まって、バスが動き出す。
折り畳み傘をさす老婆が、車窓から一瞬にして消える。
前を向くと、バックミラーに運転手の鋭い目。
なんだか、そんな心細い状況で、渋川駅に向かった私。
到着して、土砂降りの中、今回の俳句ing参加者と合流。
過去最低の動員人数である事を、改めて確認。
こじんまりと、楽しもうと、気分を変えて、一路、伊香保温泉行きのバスへ乗車。
伊香保温泉へ着いて、ひとしきり観光。
万緑に包まれた雨の温泉場も、中々、風流である。
旅館街、石段街、伊香保神社、源泉、河鹿橋、石段の湯、徳富蘆花記念文学館、食堂、土産屋。
等々、雨にめげずに、句を詠み進めつつ足も進める。
その後はバスで下り、更に下り、高崎市街へ。
高崎タワー美術館で開催中の「土門拳の昭和」展を見学し、ヤマダ電機へ。
2階売り場にあったテレビは、なんと、迫力ある3Dテレビ。
時計を見ると、黄昏時刻。
じゃあ、ってんで、ふらふらと赤提灯の暖簾をくぐる。
もはや参加者の筆も止まり、焼き鳥屋のカウンター越しに見る、大相撲の結果に集中。
そんな訳で、今回の俳句発表は、明日掲載。 (抜井)