3748声 無機質な声

2017年02月10日

ヒューマノイドロボットのペッパーを、
巷でよく見かけるようになった。
先日は、高速道路のサービスエリアにいたし、
今日は、携帯キャリアショップにいた。
 
今日のペッパーは、五十年配の女性と会話していた。
私は椅子に腰掛け、その声を聞くともなしに聞いていた。
調子よく、滞りなく会話は進んでいたのだが、
途中からあやしくなったきた。
基本的にペッパーの質問に、女性が答えるという流れなのだが、
その質問内容が、どんどん深くなって行き、
女性が答えに窮する場面が出てきたのである。
 
「好きな人はいますか」
店内に響きわたるペッパーの声。
「デートにいくなら、どこがいいですか」
まではよかった。
「プロポーズされるとしたら、どんな場所がいいですか」
店内の人の耳も意識していたであろう、
この質問に長考したその女性は、ほろりと小さな声で答えた。
「海の見えるレストラン」
まじめに答えるその女性の乙女な一面を垣間見て、
胸がほのと温かくなった。
そして、間髪いれずペッパーが無機質な声で返した。
「それはいいですねー」