3900声 ヤーマン

2018年07月19日

「温泉郷クラフトシアター」では、メイン会場となる木造校舎の前でかき氷を売っている。それを売っているのは移動販売専門の「KOTOARIKI citta」。シロップは、生のフルーツと砂糖だけを原料にしており、桃だブルーベリーだそのものの味がする。この暑さで、売れる日はかなり売れていた。

 

それを売っていた青年・・おじさんが、いわゆるヤーマンだと気付いたのはイベントが始まった後だった。ヤーマンと呼ばれるかれは昔、前橋の弁天通で「ヤーマンズカフェ」なる変わったカフェをやっていて、僕は行ったこともなかったのだけど共通の知人もおり、一言でいえば「カオスな前橋」の一旦を担っていた人物だと思う。同い年だということも今回初めて知った。

 

前橋は目まぐるしい。僕が小学校のころ遊びに行っていた前橋は、まだ商店街もぎりぎり生き残っており、人通りも多かったように思う。それから二十数年が経ち、砂山が崩れるようにしだいにシャッター商店街の代名詞的に呼ばれるようになっていった。

 

そんな中で、ヤーマンズカフェがあり、フリッツアートセンターの小見さんが「前橋アートコンペライブ」をしたり、「シネマまえばし」が閉館して「アーツ前橋」が開館して、藤澤陽くんがゆるく集まって何かしようという「前橋○○部」を展開し、メガネのJINSの田中さんが中心となって新しい店舗の立ち上げや岡本太郎の鐘がそびえ立ったりしている。全国的な知名度はないかもしれないが、文化が芽生え、育ち、途切れ、また芽生え、繰り返している。

 

近くの遠くで「前橋」を見てきた僕は、過去そのど真ん中で青春を過ごしたヤーマンと、けっこう色々な話をした。僕にとっても「前橋はこうなって欲しい」みたいなものはあまりないのだけど、高崎とはまた違う良さを持ち続けて欲しい。