谷保玲奈さんの映像も含めた設置が終わり、龍子記念館の方のご好意で大田区のえらく大きな交流会館的な名前の豪華マンションに泊めてもらった。仕事もまだあるのですぐに群馬へ戻ろうと思っていたが、小金沢くんが昼に僕も知る作家に会うというので、こういう機会もめったにないものだしちょっとゆっくりすることにした。一緒に泊まったデザイナーの丸山晶崇さん(谷保さんの個展「け這う」フライヤー・図録を担当)と喫茶店のモーニングを食べ、丸山さんと別れた後に小金沢くんを乗せて車を走らせた。
途中、彼の旧友が勤めている「日本近代文学館」にも立ち寄った。目黒区にあるそこは、その建物を囲む庭園も素晴らしかった。特集として震災に関連した詩や短歌の展示をしており、読み進めるうちに懐かしい気持ちが自分に戻るのを感じた。怖さ、悲しさ、本当に大切なものは何か、ということ。
昼。大和由佳さん(過去には中之条ビエンナーレにも参加し、小金沢くんがキュレーションした山形ビエンナーレ2024にも参加した美術家)と合流し、カレーとビリヤニの店に。3人ともビリヤニとカレールーを頼む。机の上は食べ物でいっぱいになった。かなりの量であったが、3人ともきれいに平らげた。山形ビエンナーレの話、それぞれの近況、一緒に会うことはあまりない3人ではあるが、恥ずかしげなく言うと同じ時代をそれなりに懸命に生きている同志感がある。そういう友人(と言って良いのだろう)がいることが嬉しい。
ビリヤニの後の喫茶店コーヒーまで済ませた後に、2人と別れて車に戻った。別れ際になんとなく、この2人の顔を良く覚えておこうと思った。深い意味はないのだが、そうしておこうと思った。