昨年半年かけて東吾妻町の岩島麻保存会の活動を撮影した。会員の高齢化もありその技術をマニュアル動画的に残すというのが一番の目的だったが、そのアーカイブ版以外に、一般の人たちに麻の仕事を伝える上映版と呼ぶべきものが完成し、今日、東吾妻町•麻の里会館で『黄金の一 岩島麻』の上映会を行った。
初めての上映会。地元の方達で満員の会場の後ろの壁に貼り付き、見てくださっている方たちの笑い声や、現地ならではの懐かしんでついしゃべっちゃう様子をドキドキしながら見ていた。映像の中、保存会のレジェンド的存在、94歳の茂さんが若手(と言っても結構ベテランではある)の新井くんに仕事を教えるシーンでは涙している人もいた。現場においては作業中の普通の光景であるそれが、映像として丁寧に提示することにより、輝くということ。
上映後には、若手で今回映像や写真集にも尽力してくれた名倉くんの熱い言葉。「群馬県内、日本国内、世界的に見ても、江戸時代から続く技法で麻仕事をしている団体は希少。若い世代に繋げるように励みます」。そういう人たちの背を押すものになっているなら、これほど嬉しい事はない。『黄金の一 岩島麻』はまだ生まれたばかり。今後に続きます。